アランニットの悲しい伝説!?

2019.12.10

こんにちは カインドオル宅配買取事業部です。

けっこう寒くなってきました。ニットが恋しくなる季節ですね。 ニット製品にはマフラーや手袋などいろいろありますが 1番にセーターを挙げる人も多いかと思います。

セーターの中で有名なのは、アイルランドの伝統的なセーター 「アランセーター」です。 凹凸のある縄柄が特徴で、世界中の人たちから愛されているニットですね。

ヨーロッパの西にある島国であるアイルランドのアラン諸島が発祥です。 漁業が主な産業であったため防水と防寒の目的に、 目の詰んだ羊毛の暖かなアランセーターが誕生したと言われています。 それぞれの家庭ごとに編み模様が違い、親から子へ受け継がれて行きました。

漁師たちの乗る船は嵐に遭えば転覆するような過酷なものだったので 遠くの浜に打ち上げられた遺体の顔が判別出来ないことも。 着ているセーターの編み模様でアランの漁師だと判別するといった 悲しい伝説があります。

そんなアラン模様には意味が込められています。

■生命の樹(Tree Of Life) 意味:枝や芽が伸びる/家系 願い:長寿/子孫繁栄 ■縄柄(Cable) 意味:魚を捕る縄/命綱 願い:安全/幸運/大漁 ■バスケット(Basket) 意味:いっぱいの魚籠 願い:大漁

■ハチの巣(Honeycomb) 意味:蜂が大切な蜜を作る/漁の網 願い:労働に対する報酬

■ダイヤモンド(Diamond) 意味:自然の宝物 願い:成功/富/財産 私達は、アランセーターと言えば白を思い浮かべますが、 ケルト文化やキリスト教(カトリック)の影響を受け継承されてきた白だそうです。

しかし、アイルランドの漁師達が仕事着とするアランセーターの多くは、 藍色や鉄褐色などの汚れが目立たない色が基調とされていました。

意味を知るとセーターも大事にしたい気持ちになりますね。

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しかし!!色々調べていくうちに、なんと これまで述べてきました内容とは違う情報も出てきました。

それは、「アラン模様が家紋のような役割を果たしていた事実はなく、 また歴史自体もせいぜい100年程度のもの」だというのです。

驚きました。今までのしんみりと感傷に浸った時間は何だったのか・・・

まず、アラン模様にある特徴的な模様の組み合わせは、 1906年にボストンに渡ったアラン島の女性が、 その地で移民として暮らしていた女性にケーブル編み等の模様を教わり、 それを帰国した彼女たちが島に広め、様々な技法と混ざりあい生まれた、 ということらしいのです。

「1000年以上の歴史」と言う説が広まった背景には、 ユダヤ人実業家のハインツ・エドガー・キーヴァが 大きく関わっているのではないか、とも言われています。

彼は、1936年にダブリンの手芸店で手に入れたアランセーターを元に、 オックスフォードに設立した会社でセーターの複製を行い、普及に務めた人物です。

そしてその普及の際、5~6世紀ごろにイニシュモア島に修道院が立てられており、 そこで暮らす修道士たちの服に施されたケルト模様に アラン模様と類似点があった事などから、 アラン模様、またアランセーターには1000年以上の歴史がある、 と言う説を彼が披露していたらしいのです。

そして、事実、アラン模様の普及は彼の会社から始まったとする見方が強く、 その普及と共に彼の披露する説が伝説の一端として広まったのではないか、 と言われているようです。

どのような感情でアランニットを見ればよいのか よく分からなくなってきましたが 結論としましては、セーターの柄の美しさは確かなので、 1000年だろうが100年だろうが、それまで色々な人々の関わりによって 出来たものなのであれば素直にすごいもの、ということで良いのではないか ということに落ち着きました。

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