BALENCIAGA（バレンシアガ）は、1917年クリストバル・バレンシアガがスペインで設立したファッションブランドです。フランスパリを本拠地としたラグジュアリーブランドでウェア・シューズ・バッグからアクセサリーまで広い範囲で展開しています。現在はファッション業界大手企業体のケリンググループに所属しています。
スペインで生まれ育ったクリストバル・バレンシアガは、ドレスメイクと仕立てを針子であった母親から習って独学で裁断と仕立てを身に着けました。12歳から洋裁師の見習いとして修業し、顧客であったカーサトーレス伯爵夫人の後援のもと独立。スーツのリメイクでその才能が評価されて、1915年にスペインバスク州サン・セバスティアンで最初のオートクチュールハウスをオープンしました。スペイン王家御用達のブランドになるまで成長し、その後マドリッド、バルセロナに店舗を拡大していきました。
1937年、バレンシアガはスペイン内戦の影響を受けてスペインの3店舗を閉鎖し、パリに本拠地を移動しました。パリのジョージ5世通り(アヴェニュー)10番地に「ハウス・オブ・バレンシアガ」をオープン。同年秋には初のパリ・プレタポルテコレクションに参加し、ファッション業界で一躍脚光を浴びました。40年代〜50年代では、1955年チュニックラインと呼ばれる腰下から膝丈くらいまでの長い上着を着たときに現れるシルエットを発表し、モード界を一世風靡、世界のトレンドを作り出しました。その他、ウエストラインを持たない「バレル・ルック」や台形型ののゆったりした「ベビー･ドール」ドレス、シンプルで無駄のないデザインを追求した「サック・ドレス」など数々の斬新なスタイルを発表し、技術と完成度の高い仕上がりが大きな話題を呼びました。バレンシアガは「クチュール界の建築家」、「クチュリエ中のクチュリエ」、「デザイナーの王様」、「クチュール界のピカソ」と評判を受けています。 1968年、フランスの5月革命や政府のオートクチュール産業への支援断ち切りなどの影響を受けて、バレンシアガはパリとスペインの店舗を閉鎖し、引退しました。その後バレンシアガの人気は低迷していきます。
1995年、ルイヴィトンでマークジェイコブスのデザイナーであったニコラ・ジェスキエールが26歳という若さでクリエイティブディレクターに就任し、数々の賞を受賞してブランドの人気を再熱させました。ジェスキエールの才能とブランドの価値が評価され、2001年バレンシアガはグッチグループ（現在のケリング）の傘下に入りました。事業は急速に拡大し、世界各国の主要都市に店舗をオープンしていきました。2006年、バレンシアガ・ジャパンが設立。2012年、アレキサンダー・ワンが就任。2015年にはデムナ・ヴァザリア（Demna Gvasalia）」が就任しました。デムナはラグジュアリーにストリートスタイルを取り入れてブランドの世界観を一新させました。若い世代にも顧客を増やし、高級感がありつつも取り入れやすいデザインが人気になりました。大きなトレンドともなっているラグジュアリーストリートを牽引するブランドとなっています。