コム・デ・ギャルソン(COMME des GARÇONS) は1969年、川久保玲がスタートした日本のブランドです。COMME des GARÇONSはフランス語で「少年のように」を意味します。1973年にコム・デ・ギャルソン社を設立し、1981年パリコレクションデビューをはたしました。カラフルで体のラインに沿った服が主流の中、全身真っ黒で穴が開いてゆったりとしたいわゆるボロルックと呼ばれるコレクションを披露しYohji Yamamoto(ヨウジヤマモト)と共に「黒の衝撃」と呼ばれ話題になりました。既存の価値観にとらわれない反骨精神あふれる服作りは大きな反響を呼び世界中にファンを作りました。

また、現在のファッションシーンにおいて活躍している、sacai（サカイ）kolor（カラー）beautiful people（ビューティフルピープル）White Mountaineering（ホワイトマウンテニアリング）のデザイナーは皆コムデギャルソン出身です。
コムデギャルソンといえば、デザインのみならず経営力でもその手腕を発揮しています。あくまで主観ではありますが、2000年後半に新たなコムデギャルソンのファン層の獲得を計ったと思われる一連の流れがあります。それは2008年の春夏、重ね着をテーマにしたコレクションからスタートします。コムデギャルソンはそれまでのポテっとしたシルエットから、その当時主流だったストレッチ入りの細身のジャケットなどを違和感なく登場させるコレクションでした、その次の2008年秋冬のコレクションテーマはパンクを主題としたテーマ、このシーズンも細身のシルエットを主流として打ち出し、当時の流行のシルエットへの自然な切替を違和感なくやってのけました。そして2008年大きく話題となった、H＆Mとのコラボレーションは、今までの培ってきたブランドイメージと反する、低価格帯ショップとのコラボという事で既存のファンからは賛否両論でしたが、低価格でコムデギャルソンのアイテムが買えるという事から、今までギャルソンに触れた事のない層にコムデギャルソンに触れてもらう大きな機会となりました。またダメ押しとして、次のコレクションである2009年春夏のブラックイズベストは、コムデギャルソンらしさを全快に表現した、モノトーンのコレクションを展開。まさに原点回帰といえるコレクションを展開、そしてそのシーズンにモノトーンのラインである『ブラックコムデギャルソン』を発表、コレクションラインよりも安価で、ギャルソンらしいアイテムを購入出来るラインを作り出し、本来のコムデギャルソンの魅力を新しい層に叩き込むという華麗な流れを作り出したのです。この一連の流れにより、今までコムデギャルソンに触れた事のない層の獲得に成功しました。

コムデギャルソンはそれ以前にも、PLAYコムデギャルソンのTシャツ、最近であればロゴアイテムを全面に打ち出したＣＤＧのラインなど、ただ孤高にいて着る人を選ぶブランドという立ち位置ではなく、時代に併せてブランドイメージを落とす事無く、常に時代時代に併せたコムデギャルソンを好きになってしまう仕掛けを作り出しています。ただ魅力的なデザインを作り出すだけではなく、ファッションシーンを先読みして、ファッションシーンを作りあげる魅力の高いブランドであるコムデギャルソンは、この先もずっとカインドオルにおいても主力取り扱いブランドである事は間違いありません。