ISSEY MIYAKE 02AW by NAOKI TAKIZAWA ROLL TAPE JACKET│カインドオル三軒茶屋

いつもカインドオル　三軒茶屋店をご愛顧いただき、誠にありがとうございます。

今回は、数ある新入荷アイテムの中から、特に注目すべき珠玉の一品たちをピックアップしてご紹介いたします。

◆ 今、注目すべき新入荷アイテム ◆

カインドオル三軒茶屋店が自信を持っておすすめする、最新の入荷アイテムをご紹介いたします。それぞれのアイテムが持つストーリーや魅力を、丁寧にお伝えできれば幸いです。

Brand:ISSEY MIYAKE(イッセイミヤケ)
Item: ROLL TAPE JACKET　ロールテープデザインジャケット　IM23FD059
Season: 2002AW
Size: 2
Color: Black
Condition:目立つ汚れやダメージは特になく、ユーズド感が少々ございますが気にならない程度です。
Price: 143,770円（税込）
Special Point:

［ブランドについて］

ISSEY MIYAKE（イッセイミヤケ）は、日本を代表するファッションブランドの一つであり、
その革新的なデザインとテクノロジーの融合によって、世界中から高い評価を受けてきました。
創業者である三宅一生は、1970年に自身の名を冠したブランドを設立し、
衣服の概念を根底から再定義するような作品を次々と発表してきました。

Issey Miyake by Brigitte Lacombe Courtesy of Issey Miyake

ブランドの最大の特徴は、「一枚の布」という発想を軸にした立体的な衣服作りにあります。
布の可能性を追求するその姿勢は、日本の伝統的な着物文化へのリスペクトと、
西洋的なモダンファッションの融合によって生まれたものであり、
機能性と芸術性を兼ね備えたデザインは国際的にも高く評価されています。

https://www.fashionsnap.com/article/2016-03-15/miyake-issey-ex-start/#lg=1&slide=14

中でも、ブランドの代名詞ともいえる「プリーツプリーズ」は、
熱加工によって形状記憶されたプリーツ素材を用いた画期的なコレクションで、
動きやすさ、洗濯のしやすさ、美しいシルエットを兼ね備えた日常着として、多くの人々に支持されてきました。

https://www.fashion-press.net/news/110925

さらに「A-POC（エイポック）」というコンセプトでは、
一本の糸から衣服を生み出すという製造工程そのものをデザインするアプローチを取り、ファッションの概念に一石を投じました。

A-POC 1999SS©ISSEYMIYAKE

ISSEY MIYAKEの魅力は、技術革新と詩的な美しさの両立にあります。
科学とアートを融合させ、衣服を単なる装いではなく、
生活の中で心地よく、かつ感動を与えるものとして再構築してきました。
その哲学は、三宅一生の引退後もブランドチームに引き継がれ、今なお進化を続けています。

ISSEY MIYAKEは、ファッションが持つ未来への可能性を問い続ける存在であり、
単なる流行にとどまらない「思想としての衣服」を世界に発信し続けています。

［アイテムについて］
2002年秋冬のISSEY MIYAKEは、
当時クリエイティブディレクターを務めていた滝沢直己による、
構造的かつ未来的なビジョンが色濃く反映されたシーズンです。

https://www.naokitakizawa.com/profile/

滝沢は1990年代後半からイッセイミヤケのデザインを手がけ、
伝統と革新の融合を試みてきた人物であり、2002AWではその集大成とも言えるアプローチを展開しています。

このシーズンでは、ボリュームと軽量性を両立したアウターや、
変形するような構造のパンツ、立体的なフォルムを生み出すプリーツ加工など、
素材と身体の関係性を探る試みが際立っていました。
また、宇宙服を想起させるようなメタリック素材や、機能性と美しさを兼ね備えたジップやストラップの多用など、
衣服を単なるファッションにとどめず、未来の生活における「装置」として再定義しようとする姿勢が見られます。

さらに、和の感性とテクノロジーの融合も特徴的で、
伝統的な着物の構造や折り紙の要素をモダンに解釈したアイテムも登場しました。
これにより、東洋的な美意識と近未来的な機能性が共存する独特の世界観が形成されています。

https://firstview.com/collection_images.php?id=3853

その象徴的なアイテムのひとつが、「ROLL TAPE JACKET（IM23FD059）」です。
全体に走るロール状のテープディテールは、1本のテープ状の布帛を
まるで折り紙のように複雑に折り重ね縫うことによりジャケットを形作っています。

そのため、視覚的インパクトと構造的機能を兼ね備えており、
まるで衣服自体が変形可能な構造物のように見えます。
テープは飾りではなく、服の成り立ちそのものに関与しており、
よく見れば見るほど引き込まれる魅力があります。
軽量でハリのある素材によって、立体的な輪郭が強調され、未来的かつ工業的なムードを漂わせています。

機能性、構造性、審美性のすべてを高次元で融合させたデザインは、
2000年代初頭の前衛的モードの中でも突出した完成度を誇ります。

ISSEY MIYAKEの2002AWは、単なる過去のアーカイブではなく、
現在のテックウェアやサステナブルファッションの源流として再評価されつつあります。
ROLL TAPE JACKETはその思想の結晶であり、
滝沢直己の先見性と実験精神が最も純粋に表れた一着と言えるでしょう。