1957年、創業者サム・ティックによりカナダのトロントにウールベストやレインコート、スノーモービルウエアの製造を専門とするメトロスポーツウエア社が設立されます。

1970年代にサム・ティックの義理の息子デーヴィット・リースがメトロスポーツウエア社に入社。大容量にも対応可能なダウン充填機を発明したことで、 カナダグースの前進となるブランド「スノーグース」が誕生します。

1980年代には極寒の地で活動する人々のデータを基に南極でも耐えられる「エクスペディションパーカー」を開発。「ビッグレッド」の愛称で親しまれ定番の一着となります。

1982年メトロスポーツウエア社が製造した特注パーカーを着たローリー・スクレスレットがカナダ人として初のエベレスト登頂を達成し、 この時着ていたパーカーは「ビッグマウンテン」の愛称で呼ばれ、およそ30年後の2011年には「スクレスレットパーカー」として発売されます。

1990年代、当時進出を目指していたヨーロッパで「スノーグース」の名称がすでに使用されており登録が出来なかったことから 新たに「カナダグース」というブランド名が誕生しました。

1997年サム・ティックの孫にあたり、デーヴィット・リースの息子であるダニー・リースが入社し、2001年にはカナダグースの社長兼ＣＥＯに就任。
その後、会社を大きく成長させたダニー・リースは「メイド・イン・カナダ」にこだわることを宣言します。
2004年には「デイ・アフター・トゥモロー」「ナショナル・トレジャー」といったハリウッドの大作映画のスクリーンで カナダグースが登場。カナダグースは世界中で知られるブランドへと飛躍を遂げます。
2007年世界のホッキョクグマの3分の2がカナダに生息していることからポーラーベアインターナショナルと協力し、売上の一部を寄付するPBIコレクションを発売。
集まった寄付金はホッキョクグマの生息地を守る活動資金に充てられています。
2012年に現在日本国内で最も人気が高いモデル「JASPER（ジャスパー）」が誕生します。元々世界的に人気の高かった「CHATEAU PARKA(シャトーパーカー)」を当時の 日本代理店グリフィンインターナショナルが日本人のサイズに合うようにカナダグースに別注し日本限定で販売。日本国内でのカナダグースの人気を確立しました。

現在ではアジア全般に向けて開発された「フュージョンフィット」という新たなサイズスペックも登場し、市場を拡大し続けています。 2014年にはトロントにグローバル本社を正式にオープン。カナダのアパレル産業における労働市場の6%を雇用していると連邦政府から認定されるなど、 国内雇用創出に大きく貢献している重要な企業であることが窺えます。 2016年にはカナダグース初の旗艦店をトロントとニューヨークにオープンさせ、2017年からはニットウエアを発表するなど今後も新境地の開拓に注目が集まります。